皮膚疾患は痒みや痛みが伴う事も多く、辛いですよね。
患部を掻きむしり続ける愛犬をみて、何かできることはないかな。と思う方も多いと思います。
そんな皮膚トラブルを西洋医学の側面からみると大きく分けて、下記の4つに分類できます。
疾患 | 原因 |
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感染性皮膚疾患 | 細菌、真菌、ウィルス、寄生虫(ノミ、ダニ、カイセン)による発症 |
アレルギー性皮膚疾患 | 食物、接触性、脂漏性、アトピー、他自己免疫性異常による発症 |
内分泌性皮膚疾患甲状腺、副腎皮質、性ホルモンの異常や糖尿病による発症 | |
その他 内臓器からくる皮膚疾患 |
肝臓病、腎臓病、腫瘍などが起因により発症 |
これを、中医学の視点からみると次のようになり、
”どの邪によるものなのか”を見極めていく事で、ケア方法が変わってきます。
原因 | 特徴 |
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風邪 | 強いかゆみがある。風のような速さでかゆみが襲う(急性のかゆみ) |
熱邪 | 発赤型の症状がある。患部に赤みがあり炎症が強くでる。皮膚の熱感 |
湿邪 | ジュクジュクする症状がある。化膿している。 |
血虚 | カサカサしている。風邪・熱邪・湿邪の症状が長く続いて慢性化し、被毛にツヤがない。 |
患部が赤くジュクジュクする皮膚炎のケア
皮膚疾患は、西洋医学の視点からみると原因は多岐に渡りとても複雑に見えますが、
中医学では、人も犬も自然の一部と捉え、よりシンプルに原因をみていきます。
梅雨時期や長雨の時期など、湿度が高く、気温が暑くなってくる時期に
赤くジュクジュクした皮膚炎をおこす子の場合は湿気が原因の湿邪(しつじゃ)を
伴うことが多く、ケアポイントは、
体の中にこもった湿気を外にだしつつ、患部の熱も冷ますこと。
赤くジュクジュクした皮膚炎というのは、
炎症部分の周りがドロっとした水で覆われている状態になります。
現実的にはあまりない光景ですが、例えば火が燃えさかっていて消したいのに、
その火の周りを水の壁が守っていたとしたらどうでしょう?
その火を消したくても、周りに水の壁があるため火元をめがけて水をかけても、
水の壁に邪魔をされ火の部分には到達できず、火は消せません。
これと同じで、いくら炎症(火が起きている場所)を治めたくても、
炎症が起きている周りをじゅくじゅくした水が覆っていると患部の熱を冷やすことができず、
いつまで経ってもジュクジュクした(水に覆われた)炎症(熱を持った症状)が続くことになります。
そのため、ジュクジュクした赤みがある皮膚炎ケアの場合は、
余分な湿をだすケアと、熱を冷ますケアの両方のケアをしていく必要があり、
慢性的に炎症が続いている子の場合は、胃腸の調子も同時に整えていくケアも
取り入れていくことが必要になってきます。